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  • 執筆者の写真金 用大

卒業式

3月も下旬になり、春の香りがしてきたかと思いきや雪がちらつくこともあり、なんとなく身体が落ち着かない気持ちがしております。

卒業式シーズン真っ盛りで、今日も近所の小学校で卒業式がありました。

最近の小学生は男の子はスーツ、女の子は袴を着るのが普通みたいですね。とても大人っぽくて素敵でした。

さて、うちの恐竜大好き小学一年生女子が通う小学校でも、先日卒業式がありました。しかし、我が家には関係のないイベントで、いつもと変わらない土曜日になるはずでした。

ところが、卒業生に対する在校生の送辞のコーナーがあるのですが、なんと我が子がそれに選ばれてしまい、突然、卒業生のいない我が家にとっても一大イベントになってしまいました。

なぜ選ばれたのかは定かではありませんが、本人はとても誇らしそうにしていますし、お断りする理由はありません。一年生だし、そんな大したことはさせへんやろ、大きい声でちょっとした原稿を読めばいいんちゃうの、と考えて、お請けすることとしました。

先生からの打診があった翌日、学校で娘がお役目を頂戴してきたのですが、①原稿用紙2枚ほどの文章を、②暗記して、③大きな声でお願いしますとのことでした。

③しか合ってないやん、と大人たちはにわかにざわつきましたが、当の本人はやる気満々で(どうもその文章は本人が書いたものがベースになっていたようです。)、すぐさま練習を開始しました。

しばらくはお友達に内緒にしておいてね、と言われたにもかかわらず、翌日には自慢げに話していました。

しかし一年生が暗記するにはそれなりに長い文章です。練習してもなかなか覚えきれず、娘は涙を流しながらがんばって覚えています。

「本番は10日後やのに、そんな本気にならんでも」と思いながらも、親も必死に我が自慢の娘を励まします。

そんなこんなで迎えた卒業式当日、私たち親も参列して構わないということでしたので、いそいそと準備をしていると、さすがに緊張がピークに近づいてきた娘が、「パパ~、学校一緒に行ってくれない?」と言い出しました。

一足早く、主役の六年生たちやその保護者に交じって歩く娘の小さな手を引いて、登校しました。

娘の出番は、式の後半になります。それまでに、校長先生のお話があったり、卒業生への卒業証書の授与式があったり、大人でも退屈するぐらいの長い時間がかかります。

娘は一番前の席に座って待機しています。私たちは、さすがに遠慮して、保護者席の最後尾に座りました。

大丈夫かな、足ブラブラしてないかな、話す内容忘れてないかな、と様子が見えませんので気もそぞろでした。

ようやく娘の出番がきました。このころには、私たちにとっての主役は六年生ではありません。申し訳ありません。

話し始めました。大きな声です。練習した通りにできています。

あ、止まってしまいました。練習の時にもよく止まってしまったところです。がんばれあと少し!

なんとか持ち直し、無事に最後までたどり着きました。

式が終わり、体育館を出た娘を、卒業生が出迎えてくれて、大きな拍手をいただきました。娘は恥ずかしそうに、私の後ろに隠れました。

毎日見ているからわからないだけで、きっと彼女は小学生になってから大きく成長したんだろうな、と私たちも誇らしい気持ちになることができました。

うまくいかなかったときにどうなぐさめよう、なんて考えていたパパを許してください。



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